- HOME>
- バイオセラピーという考え方
バイオセラピーとは
歯並びを治すのは、機械的な矯正装置の力だけではありません。
自分の「かむ」力やお口まわりの筋肉を正しく使うことが、とても大切です。
バイオセラピーとは、
お口まわりの筋肉機能を改善するトレーニング療法です。
舌や頬、口の周りの筋肉を鍛えることで、自然な筋機能を高め、お子さまの健やかな口腔発育を促します。
食事や日常のトレーニングを通じて「自分の力で治す」ことを目的とした療法であり、矯正装置と組み合わせることでさらに効果が高まります。
正しい機能とは
小児矯正において大切なのは、歯並びを整えるだけではなく、歯や顎の成長を支える「正しい機能」を育てることです。正しい機能がある状態とは、歯の周りの骨と筋肉のバランスがとれている状態を指します。
正しい機能のポイント
- 鼻で呼吸をしている
- 唇を自然に閉じている
- 舌が正しい位置で動き、口の中で十分なスペースを保つ
- しっかりとかむ力がある(子どもで20kg・大人で30kgが目安)
- 頭(あご)が正しい位置に成長している
- 良い姿勢が保たれている
正しい機能が育つと…
- 顎は正しい大きさに成長します
- 歯は自然と正しい位置に並びます
「形態は機能によって変化する」
ダーウィンの進化論にもあるように、正しい機能があれば形も自然に整っていきます。
畑﨑歯科医院では、この「正しい機能」を育てることを
小児矯正の基本としています。
バイオセラピーの目的
- 歯並びを整える
- 歯の角度(歯軸)を適正化する
- 噛み合わせを改善する
- 永久歯の正しい萌出を促進する
- 矯正後の後戻りを防止する
矯正治療は、装置を使って歯をきれいに並べるだけでは終わりません。
歯は骨や筋肉(舌・頬・口まわりの筋肉)に囲まれているため、筋肉のバランスが悪いと治した歯並びも元に戻ってしまうことがあります。
バイオセラピーのトレーニングとは
バイオセラピーとは、悪い癖(クセ)を改善し、筋肉機能を正しく整えることで、矯正後もきれいな歯並びを維持するためのトレーニング療法です。
- 舌や頬の使い方を改善する
- 口呼吸を直し、鼻呼吸を促す
- 「かむ」「飲み込む」といった自然な機能を整える
こうしたトレーニングを通じて、歯並びの安定と健やかな成長をサポートします。
小児矯正とバイオセラピー
当院の小児矯正は、取り外し式の床装置を中心におこなっています。床矯正治療では原則として永久歯を抜かないため、狭くなった歯列弓(アーチ)を広げることと、「良い成長発育」の促進が非常に重要です。
小児矯正の成果は、バイオセラピーへの取り組みによって大きく左右されます。適切な効果を得るためには、お子さまにもトレーニングの意義を理解していただく必要があります。
バイオセラピーの種類
バイオセラピーは大きく3つに分類されます。
舌のトレーニング
食べ物を飲み込むとき、正常な嚥下では舌を上顎の裏(口蓋)にくっつけます。発音時や安静時も、舌が口蓋に接触しているのが理想的です。
しかし、近年は正しい舌の位置を保てないお子さまが増えています。原因としては、食生活の変化や授乳・離乳食の与え方による正常な嚥下機能の未習得などが考えられます。これは発音にも悪影響を及ぼし、矯正後の「後戻り」の最大の原因にもなります。
そのため、当院では舌のトレーニングを特に重視しています。
舌のトレーニングで必要なことは「位置」と「機能」です。
正しい舌の位置とは
正常な舌の位置(ポスチャー)は
- 舌の先が上の前歯の裏に付いている。
- 舌の広い部分(舌背)が上顎(口蓋)に軽く付いている。
この状態です。
口がポカンと開いていると舌が下がります。これを「低位舌」と言います。
低位舌だとどうなるのか
舌はいろいろな骨とつながっています。舌が下がると、舌の付いている骨(舌骨)の位置が変わり、周りの筋肉のバランスが崩れます。
- 顎が狭くなり歯並びが悪くなります。
- 顎の位置が変わります。
- 気道を狭くして口呼吸になり、さらに唇が開きます。
舌が正しい位置にあるとどうなるか(訓練後)
- 歯並びが安定して、矯正の後も安定し、顎が正しく成長します。
- 顎の位置が安定します。
- 気道が広くなり、呼吸が楽になります。
当院でおこなうトレーニング例
| あげろーくん | 舌の力を強くする |
|---|---|
| タッチスティック | 舌を正しい位置に誘導 |
| パナシールド | 低位舌・受け口改善、舌の位置・噛み合わせを整える |
| ガムトレーニング | 舌の機能チェック、かむ力・飲み込み方改善 |
唇を閉じるトレーニング
「お口ポカン」の状態が習慣化したお子さまが増えています。唇が常に開いていると歯並びが悪化するだけでなく、成長期のお子さまでは顔つきも変化し、唇が分厚くなったり顔が縦長になったりすることがあります。
当院でおこなうトレーニング例
| ポカンX | 唇の閉じる力を整える、口が開く癖を改善 |
|---|---|
| とじろーくん | 唇の閉鎖力を強化、筋肉バランスを整える |
| 風船(ふうせん) | 口輪筋と周囲筋を鍛え、持久力をアップ |
| リットレメーター | 唇の引っ張り強さを測定・訓練 |
なお、口呼吸の原因はさまざまです。アデノイドや扁桃の肥大、鼻中隔湾曲による鼻づまり、気道狭窄などが関与している場合もあるため、口呼吸が見られる場合は適切な検査が必要です。
よく噛むトレーニング
お子さまの顎や歯の健やかな発育には
「よく噛む」ことが欠かせません。
しっかり噛むことで顎に刺激が伝わり、骨や筋肉の成長、歯並び、さらには脳の活性化にもつながります。床矯正でもワイヤー装置でも、よく噛む習慣がないと後戻りを起こし、歯並びは乱れてしまいます。よく噛むことで歯を支える骨がしっかり形成され、矯正期間の短縮も期待できます。
よく噛むことの効果
| 唾液が増える | 虫歯予防、消化促進、アレルギー物質の無害化 |
|---|---|
| 筋肉が働く | 口の周りの筋肉が発達し、よい顔立ちに成長 |
| 脳に刺激がいく | 記憶力・集中力の向上、肥満予防、リラックス効果 |
| 骨が成長する | 顎の骨に刺激が伝わり、歯並び改善や顔の形の安定に寄与 |
日常生活でできる工夫
- 食事のときは一口30回を目安によく噛む
- 大きめに切った野菜や根菜、噛みごたえのある食材を取り入れる
- 左右の歯をバランスよく使って噛むようにする
当院でおこなうトレーニング例
| チューブトレーニング | かむ力を測定・強化する練習 |
|---|---|
| ガムトレーニング | 舌の動きや飲み込み方を改善 |
| 食事指導 | 「よく噛める食材」や「噛む習慣づくり」をアドバイス |
よくある質問
トレーニングの効果って?
トレーニングをすると体にどんな変化があるのですか?
リットルメーターによるトレーニング後、筋肉の活性状態をサーモグラフィーで確認したところ、首や顔全体の筋肉が活発になっていることがわかりました。
効果はどれくらい続きますか?
トレーニングを3分間おこなうだけで、生体反応は60分・120分と長時間持続することが確認されています。
どこに効果が現れるのですか?
口輪筋だけでなく、顔全体や首まで活性化し、血流や代謝の改善にもつながります。
他のトレーニングでも同じ効果がありますか?
はい。今回のデータはリットルメーター使用時のものですが、他のトレーニングでも同様の筋肉活性化が期待できます。
よくかむにはどうすればいいの?
よくかむために必要なことは何ですか?
よくかむには、次の5つが大切です。
- 虫歯ゼロ
- 食べ方・コミュニケーション
- 食事時の環境
- 食材の選び方
- 調理法
なぜ虫歯ゼロが大切なのですか?
虫歯があると、かむ力を十分に発揮できず、よくかむことができません。虫歯の予防と治療が「よくかむ」ための第一歩です。
虫歯を防ぐためにできることはありますか?
定期的な歯科受診とフッ素塗布が効果的です。正しい歯磨きの習慣をつけ、虫歯になりにくい環境を整えましょう。
かみごたえのある食品って?
かみごたえのある食品を教えてください
食品の「かみごたえ度」を10段階で表すと、次のようになります。
| かみごたえ度 | 食品例 |
|---|---|
| 1(やわらかい) | プリン、じゃがいも(ゆで)、かぼちゃ(ゆで)、絹ごし豆腐 |
| 2 | バナナ、えだまめ(ゆで)、トマト(生)、たまご焼き |
| 3 | ポテトチップス、たら(焼き)、納豆、食パン |
| 4 | こんにゃく、りんご、ごぼう(ゆで)、プロセスチーズ |
| 5 | さけ(焼き)、ほうれんそう(ゆで)、ごはん、わかめ、 |
| 6 | だんご、きゅうり、だいこん(生)、スパゲッティ(ゆで) |
| 7 | アーモンド、いか(生)、鶏もも(ソテー)、ピザ |
| 8 | はす(酢漬け)、キャベツ(生)、油揚げ |
| 9 | 牛もも(ソテー)、豚ヒレ(ソテー)、にんじん(生) |
| 10(かたい) | たくあん、さきいか |
かみごたえ度が高い食品(7〜10)は、しっかり噛むことで顎の発達や筋肉のトレーニングに効果的です。
咀嚼訓練って何のためにするの?
咀嚼訓練は、なぜ必要なのですか?
咀嚼訓練は単に「よく噛む力」をつけるだけでなく、顎や顔の正しい発育を助ける大切な役割があります。
噛む筋肉を強くする…顎に外から良い刺激を与え、顎の発育を促します。
上顎の骨を育てて立体感のある顔に導く…正しく噛むことで「良い顔」に育ちます。
悪習慣によるゆがみを修正する…頬杖や舌癖などでゆがんだ外力による顔の変形を防ぎます。
歯根膜や神経を刺激し、反射機能を高める…歯根膜が顎の運動を正しく導きます。